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私の読書感想:4

鶴舞図書館で借りた蔵書/4
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貸出書籍13:『現代語訳尾張名所図会』
ブックショップ「マイタウン」編:昭和57年発行…定価6,500円

偶然にも悪の根源ダースベータに出くわした感じかな。と言っても何のことだか
さっぱり判らない人にご説明すると、『尾張名所図会』という本はもともと江戸時代後期に
盛んに刊行された地誌の一種で、寺社・旧跡の由緒来歴や街道・宿駅・名物の案内などに、
実景を描写した多くの挿絵が添えられ、当時の巡拝者の増加にともなう需要で
大いに世間に迎えられた出版物だったようだ。そして、『尾張名所図会』は全13巻もある。
郷土史に関心を持つ人々にとっては入門書となるべき史料であり、
その挿絵は江戸時代末期の尾張の様子を再現してくれて興味深いものだ。
しかし、この話は原著である『尾張名所図会』の話であって、この『現代語訳尾張名所図会』
という本とは一切関係ない。この本、赤い生地貼りでタイトルを型押しした豪華装丁本で
1冊6500円もする。その中身はというと、これまで何回となく問題定義してきた
No.4『名古屋いまむかし』No.5『熱田区の歴史散歩』No.6『ぶらっと中村』の本の大本、
バイブルにあたる本だったのである。この本から派生して普及版ともいえるこれらの本が
できたんだ。だから、オオモトである『現代語訳尾張名所図会』も糞みたいな本であることは
間違いない。今の人に何が伝えたいのかさっぱり判らない本ではある。

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貸出書籍14:『狛犬学事始』
ねずてつや著:1994年発行…定価2,000円

「かつて都市で見かけた交通標語に「シートベルトみんな知ってる忘れてる」
といいうのがあった。石の狛犬もその通りであり、みんなに親しまれているわりには
注目されることがあまりなかったようです。石造美術関係の本を見ても、
野の石仏が中心で、次に石灯籠・石塔等と続き、そこで終わっている。
確かに神社等の石の狛犬のごく一部のものを除いて芸術的には見るべきものが
ないのかもしれない。しかし、各地で人々から愛され続けてきた狛犬の姿を歴史性や
地域性から調べ出すと無限に広がる楽しみがある」と冒頭に書いてあったんだが、
まさしくその通り。しかし、読んでみると学者のやるような狛犬の選別に大きな紙面を割き、
本来の人と狛犬の繋がりみたいなものや現地を見た人にしか判らないことを
もっともっと取り上げてくれたらと思った。何はともあれ狛犬に興味のある人にとっては
この本はバイブルだと言ってもいい本だ。まぁ、著者が京都南部に住んでいて
その地方に珍しい狛犬が多く残されていたことが全ての始まりだったような気もするが。

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貸出書籍15『堀川端ふしぎばなし』
堀川文化を伝える会編:平成15年発行…定価400円

小冊子とでもいっていいこの本、中区の肝煎りで作られた。
内容は中区に残る神社や寺院をはじめ地域のまつわる数多くの不思議な話。
全部で31話収録されている。しかし、何にも新しいものはない。
それもそのはず尾張藩士が書き残したの『猿猴庵日記』『鸚鵡籠中記』と地理誌である
『尾張名所図会』『金鯱九十九之塵』に書いてある内容をピックアップしただけ。
どうでもいいけど、この本と以下の2冊は何故か鶴舞図書館では貸し出ししてなくて
「貸してくれ」といったら「買ってください」と言い返してきた。
しかし、こういう地元の人に読んでもらいたい本が置いてないとは、
大仰な言い方をすれば、名古屋の文化行政の遅れを痛感した次第である。

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貸出書籍16:『堀川端ものがたりの散歩みち』
堀川文化を伝える会編:平成15年発行…定価400円

こんな話が載っていた「昔、ある人が犬を飼ってかわいがっていた。
犬を連れて山に出掛け木の下でうつらうつらと寝込んでしまった。
突然犬が吠えかかり、着物のすそを喰わえて引っ張った。
主人は自分に食い付くのではないかと刀を抜いて犬の首を打ち落としてしまった。
犬の首は木の上に飛びあがり主人を呑み込もうと伺っていた大蛇に噛み付いた。
主人は犬の忠誠を知らずに過って犬を殺害したことを後悔して犬御堂を建立した。
古渡交差点の辺りに在りし日の犬御堂は埋没してしまっている。
犬の忠節を知らせる逸話とは係わりのないように、何台もの車が走り抜けていく」。
まだ内容的には『堀川端ふしぎばなし』よりはマシかな。
# by tomhana190 | 2010-03-13 09:46