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GOB備忘録:33

ライブと私の備忘録[22]


今回はデビッド・ブロンバーグの話をしよう。
といっても、たぶん彼はもうミュージシャンという根なし草みたいな立場から
綺麗さっぱり足を洗って、ギター職人みたいなことをしている、という話だ。
うろ覚えだが、確かに聞いたか見た覚えがある。
しかし、何を見てそれを知ったのか、
今となってはもう覚えていないので事の真偽は判らない。
これではいけないとネットで検索してみたところ、100件くらいは出てきた。
しかし、これは同名別人のジャズ系の人の話がほとんどで、
肝心の私の知ってるデビッドの話は皆無だった。
さらに、日本で洋盤CDを販売している関係のHPにアクセスしたものの、
全然該当するものがないという、今の彼の立場を如実に表している。

私は日本で彼のCDを5枚ほど買った。そして、そのCDは今も私の手元にある。
そして、あの頃聞いていた彼のレコードは
中学校の同級生のT君が今でも何枚か持っているはず。
懐かしい思い出の一部だ。
前回のジェリー・ジェフ・ウォーカーのところで、
彼の名前が突然出てきたもんだから、私の方がビックリしてしまった。
というもの、私が彼を知ってから彼とジェリーとが同じ音楽シーンに、
ましてや同じバンドにいたという感じがまったくといっていいほどなかったから。
片やレッドネック・カントリーの巨人。
片やブルースバリバリのスタジオミュージシャンとではそう思ったのも、
しょうがないことかもしれない。

彼はどういう訳か私の好きなシンガー達のアルバムに
必ずといっていいほど顔を出していた。
ハース・マルチネスしかり、ダニ−・オキーフしかり。
誰とどんな曲をやろうともギターの音を聞くだけで、彼がいるかどうか判ってしまう。
それほどテクニックが凄いというより、個性的で特徴のあるギターだった。
(余談だが、彼の歌もギターに勝るとも劣らぬ個性的だった)
私が思う彼のベストアルバムは75年に発表された「Midnight on the Water」だ。
夜の川を筏で渡っていくというジャケットも彼らしくて決まっていたが、
サポートミュージシャンが凄いの一言。
ギターにジェシー・エド・デービス、バディー・ケージ、ベースがヒュ−・マクドナルド、
ドラムがスティーブ・モズレイ、キーボードにドクター・ジョンという豪華メンバー。
更にバックボーカルにボニ−・レイット、リンダ・ロンシュタットとエミルー・ハリス。
これだけいたら、まさに恐いものなしだ。
結局、彼の歌う曲はヒット曲というものとは無縁のところにあった。それは事実だ。
しかし、アルバム1枚を通して聞けばきっと貴方も気に入ってもらえるはず。

デビッド・ブロンバーグ[David Bromberg]
ネットで探しても(当然、日本語での検索)それらしいものが1件もなかったし、
日本のCD関係のHPにも彼のCDは出てこなかった。
だから経歴のようなものも、ギター職人になった話も全べて出てこなかった。
しかし、さすがアメリカのCDショップには今でも彼のCDが10枚も扱われていた。
そのCDから1曲づつ、彼らしさ溢れて涙チョチョ切れる名曲を選んでみた。
(初めは違和感があるかもしれないが、きっと聞いていくにつれ好きになるはず)

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Demon in Disguise(1972年)
「Mr. Bojangles」
抑揚もなく、ただボソボソと歌う彼。
何の特徴もないというのも列記とした個性なのかもしれないと思った。
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Wanted Dead or Alive(1974年)
「Kansas City」
キワモノ好きの彼だから、恥も外聞もなくこういうことが出来たんだと思う。
今の若い人達に彼の垢を煎じて飲ましてあげたい。
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Midnight on the Water(1975年)
「Mr. Blue」
いつ聞いても、何度聞いてもいいものはいい。
全曲を通して聞かせたいけどこればっかりはどうにもならない。
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How Late'll Ya Play 'Til? Vol. 1(1976年)
「Such a Night」
キワモノ好きの第2弾がコレ。前は冗談でこういう曲をやっていたと思っていたが、
ひょっとしたら真剣にやっていたのかもしれないと今では思っている。
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How Late'll Ya Play 'Til? Vol. 2(1976年)
「Nashville Again」
こうやって彼の歌を続けて聞いていると、
ほのぼのとした中に、芯の強い彼の健気さが垣間見えてくる。
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Best of David Bromberg(1977年)
「Sharon」
と思っていたら、狂気を帯びた語り調の歌が入っていた。
こういう歌を歌っている彼も間違いなく彼そのものだ。
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Sideman Serenade(1990年)
「Sideman's Samba」
何を思ったのか、こういう訳の判らないことをしちゃうのも彼ならでは。
ここでは判らないがちゃんと歌もそれらしく唱っている。
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The Player: Retrospective(1998年)
「Wallflower」
からっと明るいカントリーソングも歌う彼。
しかし、他の人が歌うカントリーとは何処か違うんだな。
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Reckless Abandon/Bandit in a Bathing Suit(1998年)
「Nobody's Fault But Mine」
けだるくて投げやりなところも彼らしいと言えば彼らしい。
ずっとこのまま、こういう風で終わっていく。
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My Own House(1999年)
「Early This Morning」
最後の曲は彼の十八番ブルースだ。
彼の絶品のブルースギターとともに活き活きとした彼の歌もお忘れなく。


我がGOBでは彼の「Mr. Blue」という歌を2〜3回歌ったことがある。
ワザワザ歌詞とコードを探してやったのに、決して評判がいい歌とはいい難かったが、
この歌、私は好きだった。雄サン、またやろうぜ!
この続きは次回へ
by tomhana190 | 2006-05-25 07:51


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