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リハビリ日記:107

宇宙の話2

質問7:我々のいる宇宙は永遠に膨張を続けるのか?

宇宙の運命は2つにひとつということになるらしい。つまり、このまま永遠に膨張するか、あるところまで膨張を続けて収縮に転じるか、のどちらからしい。どちらになるのかは宇宙の曲率が正か負かゼロかによって決まってくる。曲率が負かゼロの場合はこのまま膨張を続け、正の時は収縮に転じる。宇宙の曲率は宇宙にどのくらいの重力源があるかによって決まるのだが、これまでの観測や推論ではゼロに限りなくちかいのではないかと考えられている。ただ、未知の重力源があるという可能性が否定できないばかりか、たくさんあるという意見も捨て難いから今はどちらともいえない状態といえる。新しい重力源としては今のブラックホール、ダークマターなどがあり、また質量がないと思われていたニュートリノにも質量があるという見方も登場し、この微粒子は宇宙に満ち満ちているので、そうだとしたら有望な重力源になるはずだ。そうした可能性を考えていくと収縮の可能性も否定できないということになる。

質問8:我々のいる宇宙は巨大なタイムマシンか?

夜空の星を見ていると、ある星は10光年、ある星は100光年、ある星は1000光年のところにある。パロマ山にあるような大口径の望遠鏡で眺めると、もっと遠くの天体も見ることができ、そこには銀河系外の銀河も広がっている。それらの銀河のあるものは100万光年、1000万光年、更にあるものは1億光年、10億光年、30億光年のものすら見ることができるという。ここで考えたいのは10光年の星の光は10年前に出発したものだということ。100光年、1000光年、1億光年、30億光年の天体についても同じことがいえる。つまり、我々は居ながらにして様々な時間の星の光を受け止めていることになる。ビックバンで始まった宇宙の様々な時間と光がカプセルになっているのが我々の宇宙ということになる。もし、150億光年の彼方からの光(電波)をキャッチできたら、それは宇宙の初期の姿を見ていることになる。

質問9:誕生直後の我々の宇宙はどんな姿か?

大雑把な言い方になるが誕生直後のこの宇宙はまだ物質ができていない状態だったので、そこには光だけが満ちあふれていたと考えられる。なにしろ1000億個の星の入った銀河が1000億個以上もある宇宙だから、それらがギュウギュウ詰めになれば密度は水の1億倍とか10億倍になり、温度も1兆度を越すという状態だったはず。こんな宇宙ではエネルギーは全て光なので「初めに光りありき」と考えても差し支えない。しかし、聖書に出てくる天地創造は暗闇の世界に光が差したというイ
メージがあるが、それとはちょっと違う。

質問10:太陽が終わり、地球も終わる?

太陽は標準的な恒星のひとつで我々から見れば巨大だが、宇宙では特に大きい訳ではない。そのエネルギー源は毎秒6億9500万トンもの水素が6億9000万トンのヘリウムに転換されているという。この転換の際に失われた500万トンはエネルギーになった訳だが、それにしても毎秒500万トンの物質がエネルギーになるということは半端な数字ではない。太陽が誕生してから50億年が経過しているらしいが、ちなみにこれまでにエネルギーになった物質の量は地球130個分くらいにもなるという。こんなにどんどん物質が消費されて太陽はなくならないのか?その答は「簡単にはなくならない」らしい。しかし遠い将来、いずれはなくなる。簡単になくならないのは地球130個分でも、それは太陽全体の0.04%にすぎないからで、太陽は想像以上に巨大なものなのだ。しかし、太陽は自分を作っている水素を燃やしているのだから、いずれは燃え尽きることになる。それは星の理論で50億年後ということが判っている。もちろん、太陽が燃え尽きれば地球も一巻の終わりということになる。

質問11:動的宇宙では星は衝突しないのか?

我々の頭の中には星空からの連想として宇宙は悠久な時空に静かに広がっているという感じがするが、実際の宇宙は動的宇宙なので、あらゆる天体が激しく動いている。まず、我々の地球だが毎秒0.5km(赤道付近において)のスピードでグルグル自転している。これは時速1800kmというスピードだから、超音速ジェット機コンコルドと同じ速さということになる。こうしてグルグル自転しながら地球は毎秒2km(コンコルドの4倍)の速さで太陽の回りを1年かけて回っている。太陽系の惑星も、その回りを回る彗星も運動している。その太陽は太陽圏の中心でデンと構えているのではなく、太陽系を引き連れて秒速20kmの猛スピードでヘルクレス座の方向へ移動している。もちろん、太陽と同じように銀河系の星々もそれぞれが様々な方向に猛スピードで動いており、こうした運動は固有運動と視線速度で詳しく観測されている。ここでふと、猛スピードで動いているなら衝突もあるんじゃないかと素人は思ってしまうが、心配は無用なのだ。イギリス人の天文学者のジーンズによれば、星の混み具合はヨーロッパ大陸にハチが3匹いるくらいのものなので、狙ってもぶつかりっこないくらいまばららしい。それくらい宇宙は広いのだ。銀河は1000億個以上の星を引き連れて猛スピードで回転し、銀河自身はビックバン理論でいうように宇宙の膨張で猛スピードで互いに遠ざかっている。このように宇宙を構成している天体で静止しているものは何ひとつない。

質問12:我々のいる宇宙は進化しているのか?

まさしく光の海だった誕生直後の宇宙から、だんだん物質の宇宙に進化した訳だが、初期宇宙は高温高密度だったので物質は陽子、中性子、電子とバラバラの素粒子の状態になっていたと考えられる。光と電磁波は同じものなので電荷を持ったものに影響を受けるが、マイナスの電子が満ちているこんな宇宙では光は真直ぐに進むことはできない。素粒子にぶつかって真直ぐに進めないこの状態は霧の中にいることと同じだといえる。まさに宇宙がもやっていたということなのだ。膨張によって密度が低くなり温度も下がると、素粒子同士がくっついて宇宙で最も多い水素とヘリウムができる。すると、光を引き寄せていた電子は陽子と中性子でできた原子核と結びついて原子となるので電気的には中性となり、光の進行を妨げなくなる。この時点で初めて光は直進できるようになり、宇宙は見通しがよくなったことにる。これを「宇宙の晴れ上がり」というが、これはイメージとしてはジェット機が雲の中から晴れ渡った空に飛び出たような瞬間だったといわれている。宇宙の晴れ上がりはビックバンから10万年後の出来事であり、この時の宇宙の温度は3000Kだった訳だが、この現象が150億年経った現在、3Kにまで冷やされて我々の元に届いているということになる。宇宙の晴れ上がり以前の情報を知ることはできないのか?と思うかもしれないが、宇宙の情報は光が伝えるものなので、光が直進しない状態だったところの情報は知りようがない。宇宙の晴れ上がった後の宇宙では物質が光より優勢になるので、重力(万有引力)が支配するようになる。重力が支配する宇宙では偶然できたゆらぎの回りに物質がドンドン引き寄せられて銀河が芽生える。そこでは更に物質が密度高く集って星ができる。星の理論によって全ての星には寿命があることが判っている。寿命の尽きた星は爆発して宇宙空間に飛び散る。しかし、それで終わりではなく、飛び散った物質はまた集り、次の世代の星の材料となる。そんな星の破片から生まれたのが太陽や地球なので、我々はかっては夜空に輝く星だったといっても間違いではない。こうして今から45億年前に誕生した地球上に生命が誕生し、知的生物に進化した訳だが、このように宇宙を過去から現在に俯瞰し、知的宇宙に進むことが進化であると定義するなら、我々の宇宙は確かにその方向に進んできたといえる。しかし、単にそれは変化の一様相に過ぎないというなら、宇宙は流転しているだけということになる。

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ここら辺までくると、またいつものように訳の判らない世界に]
「これから再突入するぞ〜」という感じに陥ってしまうではないか。
まぁ、これが普通の感覚なんだけど、ボ〜ッとした脳を各自癒した方が身のためだぞ。
と、言いながらクラクラしたこの感じが堪らないんだな。
by tomhana190 | 2006-04-29 08:06


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