ここBE-INのオーナーは確か岩田という名前の一見神経質そうで実は無神経なヤツ。 途中で音楽とはまったく関係ないヤツだと判ってしまったので、 通ってる間にヤツとは一度も口をきいたことがないと記憶している。 (この人、私よりずいぶん歳が上そうに見えた。確か「女歌舞伎」とかに関係のある 劇団関係の人じゃなかったのかな。もし違っていたらゴメンナサイ) オーナーがオーナーなら客も客。 その頃どんな客が来ていたのか、もう顔も忘れてしまってナンタルチヤである。 これも全て健忘症の私がいけないのである。 歳の頃はみんな似たり寄ったりだとは思うのだが、それすら定かではない。 しかし、友達とワイワイやりに来るという客はひとりもいなかったはずだ。 みんな個人個人、思うところがあって来ていたという感じ。 とにかく静かにレコードから流れてくる本場のロックをいち早く 高尚にも体感しているという一種伝導師みたいな厳かな感じだったのだ。 BE-INが入っていた雑居ビルの奥の方に確かジャズ喫茶「GOODMAN」もあった。 一度だけ入ったことがあるが肌に合わなかったのか、2度と入ろうとは思わなかった。 その他の店は全部サラリーマン相手の純粋な場末のいかがわしい飲み屋で 当然入ったこともないし、入ろうとも思わなかった。 こういうシチュエーションにあったので、暗い店内で静かにロックと交流していると、 突然どっかの酔っ払いが店を間違えたのか、 それとも確信犯的に店の内部を知ろうとしたのか、一目見て 「こいつ関係ないな」という場違いなヤツが時々ドアを思いっきり開けることがあった。 中にいた我々は一瞬白けて「いい加減にしてくれよな」と相手に見えないところで 拳を握っていた。そんなバカなおっさんにも細野君は体よくシタデに出てあしらっていたが、 開けてみて「悪い悪い」と言って閉めるのなら可愛いものの、 中には「チェッ」と言って、横柄におもいっきり閉めるよからぬヤカラもいた。 ホントにあの頃の酔っ払いは恐いもの知らずの単なるアンポンタンだった。 BE-INの細野君にはひとつの思い出がある。 いつだったのか、どんな話でそうなったのかは一切覚えていないのだが、 細野君の家(確か千種区、池下辺りのアパートだったはず)に1度だけ行ったことがある。 私の明晰な頭脳では季節は初夏、時刻は夕食時だったとはじき出した。 という訳で辺りが暗くなる前に家に着いた(当然、細野君に案内されて)。 家には女の人がいた。結婚してたか、同棲だったかは定かではなかったが、 私のその時の印象は「1つぐらいしか違わないのに彼は大人だ」という思いだった。 その彼女の手料理をツマミに酒を飲んだのだが出された酒はあの頃珍しい焼酎だった。 (その頃、日本酒と焼酎の消費量の割合は1:9、ほとんど焼酎を飲む者はいなかったはず) それもこの地方では誰もが飲んだことのない芋焼酎だった。 それも夏だというのにグラスに入った酒はお湯割り(ク〜シビレル)だった。 恐る恐る口に運ぶと、初めて飲んでまっ先に感じたことはあの臭〜い匂い。 日本酒とは全く違う飲み心地と鼻が回〜るほどの強烈な匂い。 思わず「匂っさいな」と辺りをはばからず口に出していた。 後から判ったことだが、飲んでいたのは臭さでは一二の「さつま白波」だった。 その後、知らないうちに私も精進したのか、 もっぱら焼酎、それも芋焼酎ばかりを好んで飲んでいた記憶がある。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() Whoというバンド、何時しかいなくなってしまった「American Woman」 ![]() ♪ この続きは次回へ
by tomhana190
| 2006-04-29 07:37
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人生の御負け
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