しかしこの時間、女湯はさすがに閑散としている。朝食から掃除、洗濯と女の仕事が 山積みしていたからだ。この静かな女風呂に浸かってひとり楽しんでいるのが、 実は八丁堀の与力・同心の旦那衆なのだ。八丁堀に近い銭湯には女湯の方にも 刀掛けがあった(八丁堀の七不思議のひとつ)。というのも女風呂を利用できるのは 彼等の役得であると同時に、男風呂から聞こえてくる他愛のない会話から 犯罪の匂いをかぎ出すのであった。 そして男風呂の混雑が過ぎる頃、女風呂に艶いた声が聞こえてくる。 彼女達は一般の主婦ではない。「浮世風呂」に最初に登場する女性は おたいとおきみとおはちの3人。名前からして場末の芸者か料理屋勤めの仲居達だと 思われる。他に朝風呂に来るのは常磐津の師匠とかお店の旦那のお囲い者や茶屋女という、 いわば夜の商売に励む連中だ。それが午後2時になると、 番頭も番台で居眠りするようなのんびりとした時間帯になる。 午後2時がまわると、一群をなしてどっと押し寄せるのが寺小屋の子供達だ。 彼等はヒト気のない洗い場や湯槽で傍若無人の腕白ぶりを発揮する。 また女の子なら脱衣場で姉さま人形やおしゃべりを楽しんだりする。 こうした一団が去ると湯屋は次第に喧噪をきわめることになる。仕事が終わって 一日の疲れをとる男達は義太夫をうなる者、念仏を唱える者、立ち湯の飛沫を浴びて 喧嘩する者、棟上げの祝い酒に酔ってやたら他の客に絡む者などさまざま。 しかし、彼等は時間に余裕があれば2階の大広間へ上がってゆく。 この大広間は女湯にはない。だから男だけの特権だが、ここで少女の差し出す 番茶をすすり、備え付けの碁将棋で楽しんだり、近所の噂に花が咲いたり、 瓦版の知識をひけらかす者がいたりして、まさしく町内の社交場だったのである。 女湯の騒々しさもこれに劣らない。かくて午後8時、汚れきった湯は 三助によって栓を抜かれたのだが、それでも何とかしまい湯に入ろうと道を 急ぐ者も多かった。この話の続きは次回にて。 彩色が施してある、言うなれば珍しい狛犬。 しかし、デキの方は何とも言えない。 (千種区高牟神社) 痩せぎすの変った小型犬が境内の片隅にいた。 何を思ってこうしているのだろう。 (千種区蝮ヶ池八幡宮) 北区の八龍神社にいた狛犬と似ている。 注連縄を巻かれているところまでそっくり。 (中村区水野神社) ぱっと見、あか抜けした感じのする狛犬。 魔除けとか威厳はないけど存在感はあった。 (中村区若宮神社) ずんぐりもっくりの体の割に目が小さくて、何か変。 ミニスカートが変なところにあって、ますます変。 (中村区熊野神社) この狛犬、何が変っているかというと材質が変っている。 私もたくさん見てきたが、この手の狛犬は初めてだった。 (中村区名古屋駅西口神社) 10秒後にはすっかり忘れてしまっても全然問題にもならない狛犬。 十パひとからげ?(確かこんな言葉があったはずだ)の狛犬だ。 (名東区高牟神社)
by TOMHANA190
| 2006-02-01 18:21
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人生の御負け
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