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名古屋巡礼記:58

滋賀県東南部を巡礼する/前編

しばらく前にひょんなことで滋賀県湖東地方に巡礼に行くことになった。
ことの起こりは11月25日金曜日、実家から帰った夜11時頃、我がマンションの入口で起った。
何のことはない、我が愛車の左サイドを少々擦ってしまったのだ。
しかし、音の割には翌日見たらそうでもない。後部座席のドアが少々へコンだ程度で、
それよりも当たったマンションの造作の方が大丈夫かと心配したぐらいだ。
でも、それも問題ない。気が付かない程度で、とにかく「よかったな」と胸を撫で下ろしていた。
と思っていたらM美が「お願い、今日仕事を休みにして多賀大社に行こう」と
唐突に言ってくるではないか。一応理由を聞いたら昨日の事故が原因らしい。
2度と事故を起こさないためにお参りに行きたいとのこと。
しかし、私は「こんなことでいちいち多賀くんだりまで行ってたらどうにもならん」
と思っていた。2こと3こと言い争って、とにかく今日は行かないことで納得してもらった。

しかし、これで終わりとならないのがいい意味でも悪い意味でもM美のM美たるユエン。
普段出さないような猫なで声で甘えてみたりしてたと思っていたら突如急変して
怒り出したりと、しばらくはガチャガチャ五月蝿いこと請け合い。
そんなことではどうにもならんとばかり、いつしか私から提案に追い込まれていた。
「多賀大社に行ったんなら、ついでに今まで行ったことないような神社へも行こう」と。
(私も私だ。タダでは起きない。わざわざ滋賀県くんだりまで行ったら、
ついでに神社回らな損だと思うのは利の当然)こんなこと言うにはされなりの訳があった。
何故なら、M美には先々週の楽しかった丹後ツアーの思い出がまだまだ心に残っていたから。
その時、初めて訪れた神社に年甲斐もなく感動しちゃったのだから尚更だ。
(M美の場合、狛犬にはさほどの興味を見せないが、神社本体には並々ならぬ関心を見せる)。
という訳でその次ぎの日曜日、滋賀県湖東地方に巡礼に行くことになったんだな。

私達は名古屋東部に住んでいる。そこから東名高速道路の名古屋ICまで
車で5分と掛からない。てな訳で東名高速道路を西へと向かったんだな。
午前7時、何時止るともしれない愛車にむち打っていざ出発。
(高速で止ったら大変だとばかり、愛車を使ってのツアーは久しぶりだった。
でも愛車を使ったのにはそれなりの訳があった。何故なら障害者手帳を見せると
高速代金が半額になる。これっていいよね)そうこうする内に彦根ICで降りて
国道306号線に入り南に向かう。ものの5分も経たない内に最初の目的地である
多賀大社(多賀町多賀)に着いた。正月の準備も始まったここはさすが凛とした空気に
包まれていた。しかも、朝早かった所為で観光客はいなかった。
いるのは地元の毎朝お参りに来ている人だけ。いわゆるジョウレンだ。
そんな中、一目で判る場違いな2人が儀式に則り、まずは手水場で手を洗い(私の場合、
洗えるのは左手だけ)、シズシズ(あくまで、そういう感じ)と拝殿前に進んで行った。

するとどうだ、朝のお勤めが始まろうとしているではないか。
(私としてはちょっと遅いんではないかと思った。神様とコンタクトする時は
早朝と相場は決まっているんだ)宮司を真ん中にして総勢20人ぐらいが
赤や青の袴を履いて本殿に向かって整列している。太鼓の音と共にミコトノリも始まった。
2人は「あちゃ、とんでもないとこに来ちゃったな」とはお首にも出さず、
いつものように賽銭を入れるまではよかったんだが、手を叩こうとして躊躇した。
ここで手を叩いたら、どうしたっていかんだろうなということは何となく理解した。
中途半端なお参りともつかないお参りを済ませ、これまた決めごとのように本殿裏にある
神の森を見に行き、また本殿前に戻ってきた。その頃には車でやってきた参拝人も
チラホラ目に付くようになって、またいつもの日曜日らしくなっていた。
いつもならこのあと門前町にあるみやげ物屋なんかを見て回るとこだが、
今日はそういう訳にはいかない。そそくさと駐車場に戻って次の神社へいざ出発。

次の神社といっても多賀大社の目と鼻の先、2kmも離れていない所、
国道306号線と名神高速道路が交差する所にある胡宮神社(このみや/多賀町敏満寺)。
私が一番嫌いな自然石を積んで作った階段の上に拝殿はあるみたい。
ここの祭神は多賀大社と同じ伊邪那岐命・伊邪那美命。歴史を紐解くとこの神社、
もとは敏満寺の鎮守社として建てられたもの。そういう敏満寺は聖徳太子開基の
天台宗の寺院で湖東三山と並ぶほどだったが、戦国時代に兵火により焼失し廃寺となり、
神社だけが再建された。現在は胡宮神社の境内に金堂や大門跡が残っている。
そんな訳でこの神社には国指定の重要文化財として鎌倉時代前期の銘がある
銅製五輪塔も残されている。また胡宮神社社務所庭園という国の名勝に指定された庭も
あったが如何せん私は見ていない。(見てきたM美の話によると
ワザワザ行くこともないとのこと。あくまでM美の話だからね)

次の神社は胡宮神社から3kmほど離れた甲良神社(こうら/甲良町法養寺)。
何故この神社へ来たかというと、地図を見ていたらあることに気が付いた。
神社の名前が普通の書体とそれよりも太い書体で書かれたのと2種類あることを。
そういう訳で、何にも知らない私としては太字に引かれちゃったのね。
という訳で甲良町役場のすぐ南にある甲良神社へ行っては見たものの、
完全に裏切られてしまった。何故なら、鎖が掛かっていて境内の中に入れない。
よく見ると拝殿前に賽銭箱も置いていない。まさしく神社が夜逃げしたと思ったね。
しかたがないので甲良町役場に戻る時、何んとそこであるものを見つけてしまったんだな。
甲良町役場だけあって町の名所旧跡を表わした看板が掲げてあった。
その看板にもうひとつ別の甲良神社(甲良町尼子)があることを発見した。場
所はというと、ここから北西に1.5km行った尼子地区にあったのだ。

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写真1:胡宮神社にはひょうきんな顔をした狛犬もいた。
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写真2:細字の甲良神社の全景はこんな感じだった。
by TOMHANA190 | 2006-02-01 15:53


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