何とも情けない世界しか展開できなくなってしまった(反省してます)。 そこで反省をカタチにするべく第2回も私の得意な分野である音楽特集でいきます。 それも私の一番思い入れの強いブルースで。 世の中にはブルースを歌っている「ブルースマン」と呼ばれるシンガーはアマタいる。 黒人もいれば、白人もいる。戦前活躍した人もいれば、もちろん戦後の人もいる。 ここで私は戦後のブルースの名曲とそれを歌った黒人のブルースマンを 第1弾として発表、そして第2弾として白人が歌ったものを発表しようと思う。 ここで断っておくけど、ブルースギターだけのインストはこの企画からは外すことにした。 やっぱりブルースの名曲は人間に歌われてこそ名曲だと思うんだ。 それに上手に弾けるけどブルースの歌は歌わないという人はここでいうブルースマンとは 私は呼ばない。ブルースの歌を歌ってこそ、真のブルースマンと呼ぶに相応しいんだな。 突然ですが、夢の「ブルースの名曲」第1弾の黒人編の結果発表とまいろうか。 こういうことはウダウダ言うよりも聞いてもらった方が判るというもの。 曲名、それを歌ったブルースマン、それを選んだ私の思いの順に載せてある。 ところで、このベストテンの中に何曲あなたが知っているブルースがあったかな。 これを聞くと私の30年以上にわたってブルースに係わってきた日々のことも 昨日のことのように思い出す。青春のほんの数ページのことだけどもね。 結・果・発・表! 第10位:My Time After While BUDDY GUY 私にとっての唯一メモリアルブルースがコレ、シカゴブルースの流れを汲むと言ってもどうってことないスローブルースだが。ブルースシンガーとしてはどう考えてもB級な彼がこの栄えあるベストテンに入った理由はひとえにそういうことにある。こう見えて私も人の子、思い出はいつまでも大事にとっておきたい。 第9位:The forecast ROBERT CRAY 斜陽の世界であるブルース界では何十年ぶりかの新人だった彼もとうの昔に50歳を過ぎた。生温いブルースしか歌えなくなった若いヤツ等の中にあって彼の小節の効いたブルースはホンモノだ。あれよあれよとブルース界の頂点に駆け登ると思っていたら今でも先人の影を踏みながら悶々としている。ナントももったいない限り、尚いっそうの奮起を期待したい。 第8位:Slow Down KEB' MO' サイドギター的にず〜っとリズムを刻む腰のある単弦ギターの音が新しさを感じさせる。また、1番2番3番と微妙にコード進行が違っているところも何か新しい。この曲、名曲とは言い難いがスマッシュヒットには充分入ると思っている。余談だが、この曲は我がGOBでも取り上げている。と言ってもあの単弦ギターの音を出せるYクンとブルースハープの広瀬君がいなかったら日の目は見なかっただろうな。 第7位:I'll Play The Blues For You ALBERT KING ベテランらしい落ち着いた入り方、ドラムの叩き方がオシャレであくまで抑揚を抑えた大人のブルースを歌っている。途中語りもあって、まさに映画のワンシーンのようだ。いわゆるアルバートにとってこの歌はオハコ18番だ。彼の弾くギターの音色が変わっているのは右利き用ギターを左利きの彼はそのまま弾いている。コードのカタチも違えば何から何まで違う。唯一いい点は親指でチョ−キングするので普通のチョ−キングよりも大胆にできること。まさにこの曲のように。 第6位:Hoochie Coochie Man MUDDY WATERS ぼそぼそとギター片手に歌っていた初期のブルース界からエレキギターを引っさげて現れたブルースの世界一番のヒットメーカー、それが彼。そしてシカゴブルースを背負って立つ彼の後からはたくさんの黒人ブルースマンが雨後のタケノコのように出てきた。そればかりか白人の若者の心にもしっかりブルースを焼け付けていった。彼がいなかったら今の音楽シーンも変わったものになっていたかもしれない。その証拠にあのローリングストーンズというロックバンドの名前も彼の持ち歌からきていると言う話は有名である。 第5位:Red House JIMI HENDRIX 本国アメリカでは日の目を見れず、イギリスに渡って彗星のごとく現れそして消えていった彼。その頃には珍しいベースとドラムと彼の3人編成のバンド。それも彼を除く2人は才能のカケラもないただの白人の若者。サイケデリックな彼の人生は案の定、薬漬けの人生でもあった。そんな彼のギタースタイルも変わっていた。ギターを背中に廻して弾いたり、歯で弾いたり、はたまた弾いているギターを燃やしたりとイロモノプレイヤーと見られていた。しかし、彼のギタープレイはビートルズの歌同様に今聞いても全然色褪せていない。イロモノプレイヤーと言われた彼のブルースは本国アメリカのブルースマンもマッツァオなホンモノのブルースだった。 第4位:Dust My Broom ELMORE JAMES 偉大なるワンパターンというのは何もデザインの世界だけの専売特許ではない。彼の歌うブルースはその名もずばりワンパターンブルース。タイトルがどんなに変わっていても、出だしはいつものボトルネックのあの音ジャジャジャ・ジャジャジャ・ジャジャジャ・ジャジャジャ・ジャジャン。それにかぶさる高音の彼のダミ声を聞くと反射的に「エルモアだな」っと安心してしまう。上手さも情緒もヘッタクレもないブルースだがあの頃の空気を今でも運んできてくれる、タイムマシーンのようなブルースでもある。 ベストスリーに入る前に惜しくも次点の曲:One More Mile JAMES COTTON 一芸に秀でた人はどんな世界にもいるもんで、ブルースの世界にもちゃっかりいた。スローブルースを歌わせても全然サマにならなかったドンクサイ彼が人が変わったようにイキイキ歌っていたのがこの曲のようなブギ。LP全曲がブギ、ブギ、ブギのオンパレード。終わりの方では当然耳にタコが出来てしまうが、それがまた心地いいんだな。余談だが彼は独立する前、MUDDY WATERSのバンドでブルースハープを吹いていたという。 ![]() HOWLIN' WOLF あのMUDDY WATERSやBB KINGの偉大な影に隠れて彼のことを知っている人はほとんどいないのかもしれない。しかし、有名でないということはそのブルースが詰まらないこととは繋がらない。彼の歌うブルースは流行りとかスタりといったような世界を超越してブルースの王道であるシャウト、シャウトの連続、悲惨な人生を乗り越えようとする黒人達の背中を暖かく後押しするようなブルース。また、器用でない彼のブルースからは1人の黒人の長くて辛い人生も垣間見えてきた。「カッコいい」とか「素敵だな」なんていう女子供の陳腐な響きをシャットアウトする、それが彼のブルース。余談だが、我がGOBのライブでのオープニングの曲は誰が何と言おうが私が歌うこの曲なんだな。 ![]() FREDDIE KING 彼はレオン・ラッセルのシェルターレコードに移籍してからホントの意味での時代を先取りする画期的なブルースを歌い始めた。それは決まりごとでガチガチに固まってしまった、まさしく大多数のアメリカ人の心の中に仕舞ってあるような、いつまでも変わろうとしないオーソドックスなブルースに囚われずに、今の生きた空気を、日々変化する新鮮な空気を吹き込むこと。BB KINGのようなオーソドックスなブルース至上主義者からは異端と思われようとも、彼は誰もやらないことに情熱を傾けていった。そんな彼も惜しくも道半ばで帰らぬ人となってしまったが。そのあと天下を取ったようなBBやクラプトンのブルースからは今の時代をちゃんと生きている、そんなブルースは私には聞こえてこないんだな。 ![]() JUNIOR WELLS 才能のある人はみんな長生きが出来ないみたいだ。彼ももうこの世にはいない。彼は単なるブルースハープ奏者でもなければブルースシンガーでもない。シカゴブルースを不動の地位に押し上げた中興の祖だ。彼の歌を聞くと何故かジェームス・ブラウンの顔が浮かんでくる。生のライブはとうとう見れなかったがピタッと決まったステージが目に浮かんでくる。この曲もオーソドックスなブルースからはかけ離れているが彼が歌うとゴクゴク普通のブルースのように聞こえてくるから不思議だ。演技とは全く正反対の長年培ってきたブルースへの思いが彼をしてブルースの牧師のような雰囲気を自然に醸し出すみたいだ。ギターがシャシャリ出る訳でもなく、嫌味なほど技量に溺れたハープを聞くでもなく、タイトなリズムの中を歌がギターがハープがブルースをカタチ作っていくホンモノのブルースライブ。彼のライブは数少ないホンモノだった。最後に一言「一度せいいから彼のホンモノのライブを見たかった」というのが偽らざる思い。 次回はブルースの名曲(白人編)です。乞うご期待!
by tomhana190
| 2010-03-13 08:47
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人生の御負け
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