知っている人はほとんどいないはず。それくらいライの曲の中でも埋もれた曲だ。 このリズムのある、どちらかというと絶対ドラムが必要なこの曲を何故やろうとしたのか、 今となっては謎としかいいようがないのだが。 かれこれ30年以上も前から歌っているこの曲も脳梗塞になって以来とんと御無沙汰している。 が、いつかまた絶対に歌いたいと思っている、それこそ愛着の一曲なんだな。 そして、ライの歌で私が一番好きな曲は何といっても「Across The Borderline」だ。 この曲、ライの歌う曲にしては珍しくライ自身が作曲した曲で、 私の好きなジョン・ハイアットが共作者に名前を連ねている。 まさしく、国境を越えて旅立つ、哀愁漂う曲なんだな。 ![]() ライについての余談は、ライの歌った曲で何故かCD化されていない曲が1曲だけある。 という話だ。30年近く前、たぶん1975年前後だったと思う。 パイオニアという日本企業の宣伝のバックサウンドだけに使われた曲があった。 「Go home girl」という曲で、元歌はArthur Alexanderという黒人だったはず。 当時はLPに入れる予定もなかったというか、そのためだけにシングル盤だけの発売だった。 その後、遅蒔きながら79年に出された「Bop Till You Drop」にこの曲は運よく収録された。 それからしばらくしてまたパイオニアの宣伝のバックのためだけに ライの「Big city」という曲が使われた。また同じくシングル盤だけの発売だった。 それ以後この曲、待てど暮せどLPどころかCDにもされていないようなんだな。 私が買ったシングル盤はいつのまにか何処かにいってしまって跡形もない。 こんなレコード、よっぽどライに惚れ込んだヤツしか持ってないはずのシロモノ。 という訳でこの曲の全体像は日本広しといえども我がGOBだけが、もっというなら、 私と雄サンの頭の中だけに大事に仕舞ってある曲だといっていいんじゃないかな。 ![]() ![]() ライ・クーダーの話が終わったので次は我が愛するトム・ウェイツの話でもしようか。 前にも話したようにトム・ウェイツはどういう訳か研ちゃんに教えてもらった人なんだな。 今の人はトム・ウェイツというと個性派俳優としか見ていないと思うけど、 彼は立派なジャズ系シンガーソングライターとして私の前に現われた。 しかし、初めは数あるシンガーソングライターの内のひとりぐらいでしかなかった。 そう、その頃、まさに時代の寵児だったビートルズも既に解散していたし、 商業ベース化された見た目だけのロックからは一歩も二歩も身を引いて、 私は新たな歌を、私自身を納得させてくれるシンガーを遮二無二探していた頃。 どうした訳か、そういう意味で注目していた人達はジャンルには関係なく 自分の歌う歌は自分で作るという人達、いわゆるシンガーソングライターだった。 ジム・クローチ、ダニー・オキーフ、ランディ・ニューマン、マーク・ベノ、ブルース・コバーン、 J.J.ケールとかいった人達。数え上げればキリがないがトム・ウェイツもそんな中のひとりだった。 だから当時は彼にそんなに思い入れがなかったのか彼の日本初ライブも ライブ会場まで行くには行ったが結局見ないで帰ってきてしまった。 ライブ会場の雰囲気が私に「これは何か違うぞ」と思わせたからという他愛もないもの。 このライブが日本での最初で最後のライブだったから、今から考えるともったいないことをした。 と、言っても今だから言えることで、当時は全然考えもしなかった。 確か1stアルバムは1973年に発売された「Closing Time」だったと記憶してる。 そして、このアルバムから初めてトムの歌「Ol' 55」をピックアップした。 まだイーグルスが取り上げるより前だったはずだと思う。 この歌は今でも時々思い出したように歌っているからかれこれ30年以上もの付き合いになる。 74年に発売された2ndアルバム「The Heart of Saturday Night」からは ずばりタイトル曲を取り上げたが、この曲は人前で歌ったのは数えるほどしかない。 その後の「Nighthawks at the Diner」と「Foreign Affairs」からは1曲も取り上げていない。 その頃、彼の作る歌はほとんどががジャズぽかったので再現が不可能な感じが多く、 私としてもそれほど積極的じゃなかったのがホントのところだ。 ![]() ![]() ♪ この続きは次回へ
by tomhana190
| 2010-03-13 08:17
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人生の御負け
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