ここら辺で気分転換に我がバンド、30年以上も続いているGood Old Boysの 不動のメインボーカリストである我らが研チャンの持ち歌を取り上げてみようと思う。 そもそも研チャンとは今池にあったロック喫茶「ユッカ」でひょんなことから知り合ったんだが、 その時、私はというとケツの青さもぬぐえない20歳、研チャンはというと 酸いも甘いも何でもありの30歳。ちなみに雄サンはというと青年の主張バリバリの24歳だった。 ということで、初めて会った時から研チャンは我々ギター少年隊とは根本から違っていた。 何が違うかというと、まず歌っていた歌がそもそも違っていた。我々が流行りのビートルズや ボブ・ディランの話をすると「チョ・チョ・チョ、まだまだ青いね」という顔して 「他にも、もっといいのがあるんじゃない?」と無知な我々を試そうとしているようだった。 そんな研チャンは格好だけでなく、絵に書いたような歌のスペシャリストだった。 我々と会う前に、研チャンは既にジャズのスタンダードを人前で歌っていたという。 こうして自分では楽器ひとつやらない研チャンと ギター少年隊である我々との不思議な結びつきが始まった。 初めの頃は「By The Time I Get The Phoenix」や「Until It's Time For You To Go」 「The Man I Love」といったジャズのスタンダードナンバーを教えてもらった。 (ひと冬、納屋橋近くのロック喫茶に研チャンと2人だけで出ていた) 教えてもらったといっても、レコードを聞かせてくれた訳ではなく「1001」という楽譜を見せられた。 正式名称は忘れてしまったが1册にスタンダードナンバーが1001曲も入った それは今までに見たこともないプロが持つような驚くべき楽譜だった。 研チャンはそれを何冊も持っていて、自分が歌える曲には御丁寧にも印が打ってあった。 スタンダードナンバーの楽譜にはやたら♯や♭やmaj7やdimの付いた 複雑なコードが頻繁に出てくる。私が弾きにくそうにしていると 「弾きやすいように転調してもいいんだよ」といってくれたり、「難しいコードで 弾きにくかったら簡単にしていいんだよ」とか「難しいコードは単なる味付け、 基本は一定のリズムなんだから」と優しく私を導いてくれた。 そして、ペラペラとめくっては「この曲、弾いて」と言ってはぶっつけ本番で歌うのだが、 それがまたいいんだな。弾きにくかったら転調して弾きやすいコードに変える、 難しそうなコードは簡単なコードに変える。 その理由は歌の感じをトギラサないことに尽きる。 その答えは歌っている声がメインでギターは単にそれを助けるもの過ぎない。 研チャンに初めて洋楽の何たるかを教えてもらった気がした。 研チャンの歌う曲で我々ギター少年隊が初めてレコードから採った曲はというと 多分ダン・ペンの「Lodi」が初めでなかったのかな。(余りにも昔の事なので定かではないが) この歌は当然、研チャンから教えてもらったものだが、この歌を歌いたいと 言われたものでもなかった。研チャンからダン・ペンのLPを借りた時も 「この歌が歌いたい」と具体的な曲名は研チャンの口から言われなかった。 それこそ我々ギター少年隊がLPの中でこの歌なら我々だけども再現可能だというのを見つけ、 それを弾きやすいようにまずは転調して、一応研チャンにぶつけてみた。 それから、キーのことやコードのカタチこと、全体の構成なんかを考慮に入れて 何回も研チャンとキャッチボールしてようやくできた記念すべき曲だった。 ![]() 「By The Time I Get The Phoenix」 ![]() 「Until It's Time For You To Go」 ![]() 「The Man I Love」 ![]() 「The Lady Is a Tramp」 ![]() ♪ この続きは次回へ (万一、ここに用意したサンプル曲をあなたのPCで聞けない場合は あなたのPCに合ったWindows Media Playerをインスツールすると聞けます)
by tomhana190
| 2010-03-13 07:14
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人生の御負け
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