名古屋巡礼記:64

吹上から荒畑を巡礼する/前編

私は何もいい子ぶって言う訳ではないが、
休日にワザワザ事務所へ出かけるということ、他人が思うほど嫌いではない。
そもそも仕事でも、仕事以外でも自分のペースでできることが何よりいい。
誰にも邪魔されないで、静かなところでひとり考えれるところが何より好きだ。
そんな訳で、休日の早朝(歳のセイか朝はとにかく早いのだ)事務所に行く途中、
思い立って巡礼に出た。
行った先は名古屋の地下鉄の駅の中で寂れさというか、
廃れさ1・2番を仲良く争うであろう桜通線「吹上」駅から
鶴舞線「荒畑」駅までの間を今回初めて巡礼してきた。
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出かけのスナップはいつものコレ。

今回の行程は直線距離に直すと1kmちょっとだからなんら問題はない。
それに名古屋のど真ん中にある寂れた住宅街の中だから交通量もそれほどでもない。
しかし、皆さんが市販の地図で目的のこの辺りを見てみると、
何にもないところ、ちうまらないところのように見受けられるかもしれない。
そもそも、神社のためにワザワザ巡礼しているんじゃないかと思うほど、
私にとって命より大事な狛犬とそれを守る神社がひとつもないという土地柄なのだ。
かといって名前の知れた寺院もひとつもないときている。
じゃぁ、何故ワザワザそんなところに行くのか?
私なりの答はちゃんと用意しているからご心配なく。
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最近は何故か空の写真がお好みのよう。

この辺り、知らないとは思うが「郡道」という名の古い街道が南から北へと通っている。
その道沿いに並ぶ民家がこれまた運よく空襲にも遇わずに、
今日まで昔の姿をそのまま留めている。
ということは、これらの民家の2階には今では見ることすら難しくなっているはずの、
名古屋独特の祀り方である「屋根神様」が残っているという超貴重なエリアなのだ。
てな訳で、屋根神様を拝みながら古き良き時代の遺物を探すのが今回のテーマ。
朝、地下鉄を乗り換えて先ずは桜通線「吹上」駅で降りた。
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これが郡道の今ある姿だ。

案の定、ホームは乗客の姿もマバラ。いわゆる閑散としている。
エスカレーターで改札口まで昇って行ったがここにも駅員の姿はない。
駅のサインを頼りにエレベーターを探すと、あった、あった。
新しい路線の駅にはちゃんとエレベーターがあるからナントも嬉しい。
と、思いながら地上へと出る。名古屋で有名な100m道路の歩道上にちゃっかり出た。
歩く前に地図に一応目を通して、自分なりのコースを決めるのが私のやり方。
(と、いっても現地では左へ右へコロコロ変わるんだけどね)
そこまで準備して、いざ出発。
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最近、何を思ったのか駅にあるエレベーターの写真も撮っている。

こう書くと、なんか期待ウキウキ胸ワクワクという感じに聞こえるが、そうではない。
ココまで来ても「ああだ、こうだ」とあらぬ心配をしながら、
これから続くであろう果てしない徒歩旅行に浮き足立っている自分がいる。
(と、いってもココまで来て止めることは絶対ないんだけどね)
歩き始めて2分、はじめに「飯田街道」といっても今は街道とは名ばかりの
タイソレタ道ではない、ソコイラの商店街で見かけるようなショボイ道が見えてきた。
入口にあるなんでもない電飾看板を記念に写真に撮る。
ここら辺からアンテナ全開、回りキョロキョロの臨戦体勢に入いっている。
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これが飯田街道の今のテイタラクだ。

その前に、私が巡礼に行く時に必ず持参する地図の話から始めよう。
「アーバンアトラス名古屋」というB5版で50ページくらいの何でもない地図。
最近できた地下鉄の駅も載っていない古い地図なんだが、なんら問題はない。
この地図をいつもカバンに入れているのだが、どこでもいいけど開くとまず目につくのが
神社の所在を表わす鳥居マークに全てボールペンの赤で丸く印が打ってあること。
その数ウン百カ所。鳥居マークのないところにも何故か印が打ってある。
そこは地図にも載っていないような小さなお堂とか祠の位置をHPで調べて、
見る価値ありと思ったところだけ地図にも印が打ってあるということ。
そして、所々に付箋が貼ってあって、地図に載ってないような些細な情報も書き込んである。
少々フチの方が折れたり破れたりしているが、私にとっては大事な宝物。
何気なく始まった巡礼の最初からの付き合い。これさえあれば恐いものなしだ。
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これが「アーバンアトラス名古屋」の一部。

てな訳で、昭和区車田町の普通の人なら見向きもしないような
何でもない街角にズズズ〜イと入っていく。
しかし、地図に書いてある赤丸のところに来たものの、それらしいものがない。
以前書いたものなので何かは具体的には判らないが、たぶんお堂か屋根神様か、
何かがあったはずだが今は跡形もないない。
こういうことはよくあることなので気にせず次へ向かう。
すると、普通の民家の門の上に狛犬みたいな焼き物が置いてあるではないか。
個人的にはこういうことは認めないんだが、可愛い狛犬だったので許してやった。
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狛犬というよりは沖縄にいるシーサ−みたいな感じかな。

次は雪見町というどこか風情が感じられる町にある「法雲寺」という寺を訪ねることに。
しばらくして現場近くにいるはずだが何故か一向に見つからない。
地図には寺を表わす卍マークがあるのだが、入口がどちら側にあるのかは不明。
入口は道路の位置と卍マークの微妙な関係から推し量って推測するしかないのだが、
2万分の1の地図では豆粒のように小さくて一種の賭けみたいなもの。
とうとう、ぐるりと一周してみたがそれらしい寺の影すら見当たらない。
「まぁ、ここら辺は今回の前哨戦みたいなものだから」と自分を慰めて次へと向かう。
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この野良猫がこのあと出てくる直立不動猫。

準備体操OKという感じで後編へと続く。
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by tomhana190 | 2006-04-29 09:21


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