たいがい建中寺や徳川の息の掛かった寺ばかりなのであんまりおもしろくない。 それに寺ばかりでなく建中寺のある界隈(筒井町、百人町、黒門町といったところ)は 東から来る飯田街道と北からの善光寺街道の防衛と安全を守るため、 尾張藩の百人組同心などの下級武士達の組屋敷が集中していたところでもあった。 そんなことで、十字路がわざわざ斜めに交差していたり、突き当たりが急に 人が通れないような細い道に変ったりと、迷路のような道路をワザワザ作ったところ。 今でもその名残りが随所に色濃く残っているところでもある。 さらに名古屋市内、昭和の町名改悪で江戸時代から続いていた風情のある町名が ほとんど消えてなくなったが、ここにはまだまだいい名前が残されている。 (写真は大半が幼稚園に占拠されている自然院) 押加茂様こと於美津の方(押加茂城主、松平忠久の娘)が 忠吉の菩提を弔うため、清洲に玄白寺という寺を建てた。 寺号「玄白」は忠吉の戒名、性高院殿憲宝玄白大禅定門から付けられた。 1610年、押加茂様も亡くなり、その戒名、喜秀院殿光誉貞祖大禅定尼から 寺の山号と院号を戴き、総称喜秀山貞祖院玄白寺と号するようになった。 天明の大火により寺坊は焼失し、以後長らく仮本堂だったようだが 明治に入って尾張4代藩主吉通公の御霊廟を建中寺から譲り受け、これを本堂とした。 (写真は今は訪れる人も希な貞祖院) ◆私が調べたところによると、城番町:城代の同心や御深井丸の番人の住宅地であったから 城番町の名が生まれた。水筒先町:昔は水塘先とも水筒先とも言われていた。 建中寺の校内の堀から常にふき流れる清水を渡す桶があったことから この町名が起こったという。この地域が町屋となったのは1694年からと言われている。 車道町:徳川家御下救造営の時に東山付近から切り出した石材を車を引いて運んだ通りから 車道と呼ばれたという説と建中寺で葬儀が行なわれた際に供養の意味をかねて供物を車に 積んで建中寺の裏門から運び出した道筋だから車道と呼ばれたという説がある。 1727年頃開発され町筋が整ったと言われる。明治11年に朝日町と糸屋町を合わせて 車道町とされた。手代町:このあたりは昔手代屋敷が多かったのでこの地名がついた。 明治4年、通玄山筋を中心とし往還町の西郷北側までを占める地域となった。 黒門町:寛永年間(1624〜43年)に義直は上人のためにその引退地として布池付近に 3000坪の地を贈った。1652年老衰して布池山自然院を建てて住むようになった。 自然院は現在の地に移転し宝池山と改めたが、その本尊は上人が黒谷から持ち帰った 阿弥陀如来立像であったので誰ということなくその門前を黒門門前と呼ぶようになった。 これが短くなって黒門町となったと言われている。百人町:藩政時代、百人組同心の屋敷が 並んでいたところで北百人町と南百人町からなっていた。明治9年に町屋ができ 現町名に確定。同11年出雲小路を併合した。代官町:昔この地が開発された頃、 大代官太田九左衛門という人が家を造ったことから代官町といったといわれている。 善光寺街道の方はその後どうなったのか? それを知る者は名古屋人でもほとんどいないんじゃないかな。 と、いうのもこの街道、今の基幹道路とは何にも関係ないところを通っていたため、 今ではごくごく普通の小路になり下がってしまった。 平田町と東片端を通る通称外堀通の1本南側の道なのだ。 (要は今の鍋屋町通り商店街が通っている寂れた道のこと) 晴れ晴れしいものは何ひとつ残っていない。 (写真はかつての善光寺街道の脇にあった松山神社の全景) 離れたところにあって、これらに通じる脇街道が城下から通じていた。 善光寺街道の起点は名古屋城近く本町通りと伝馬町通りが交わる「札の辻」。 ここを北進し、京町筋で右折東進、「佐野屋の辻」で左折北進、道は名古屋台地を下って 大曽根に至る。現在でも東区相生町には道を鈎型に曲げ直進を防いだ 枡形の防御機構がある。このように大曽根口を経て中山道へ至るのが善光寺街道。 または下(した)街道と呼ばれる道で現在の国道19号線に当たっている。 同じく清水口(志水口)を出て中山道へ至る木曽街道(本街道)は藩が作った官道で 武士はこちらの道(現在の国道41号線に相当)を利用していた。善光寺街道は 自由に往来ができ、しかも中山道に至る行程が平坦で短かかったので 庶民はもっぱらこちらの道を利用していた。(写真は善光寺街道の今の姿)
by tomhana190
| 2006-04-29 09:13
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人生の御負け
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