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GOB備忘録:30

ライブと私の備忘録[19]


前回は誰も知らないような70年代初頭のロック喫茶の話をしようと
意気込んでみたものの、話題の中心が余りにも遠い昔のことばかりで、
肝心の私の記憶が曖昧模糊として再現できない状態で大変失礼した。
今回はそんな反省を踏まえて、バッチリ記憶のある話題というか、
バッチリ記憶のあるうちに是非話しておきたいことを御披露しようと思う。

それは何かというと、我がバンドGOBのライブで取り上げようと、
コードを探し、耳で歌詞を聞き分けて、そうして楽譜まで作って練習までしたが、
とうとう日の目を見ることなく終わってしまった幻のシンガー達というべき彼等の話だ。
玄人好みの渋いバンドとして定評のあったGOBだが、
実はクラプトンやスティングのようなミーハーの流行歌も
時代と観客の流れに逆らえないとばかりに、ちゃっかり取り上げていた。
いけないことだと判っていても、これ以上観客との距離を取ったところで、
状況がよくなる兆しがコレッポッチもみつからなかったから。
(ライブをやってて思うことは観客がただただ黙って聞いているという感じなのだ)
だから「こういう歌もやらざろう得ないのかな」というのがホンネなのだ。
しかし、心の何処かに「あの人達の歌も歌わなきゃ」という思いが強くあったのは確か。
観客に対しても「あんた達の知らない人がこんないい曲歌ってるんだよ」と
胸を張って大見得切りたかったのは確かなんだが。

言ってみれば江戸時代、島原や長崎などに人里離れた山奥に、
誰にも悟られずにひっそりと住んでいた、言ってみれば隠れ切支丹みたいな彼等。
日本においてはヒットチャートどころかMTVからもラジオからも当然無視され続けた彼等。
肝心のCDショップでも彼等のCDは見つけることが難しい。
と、いうよりもCDそのものがないのが常識だった。
しかし、そんな彼等も本国アメリカなんかではまっとうな評価を得ているという話を聞いて、
何かほっとしたのを覚えている。
ちやほやされない代わりに王道をしっかりとした足取りで、
ゆっくりと時間を掛けて歩いて来た彼等。
しかし、私の病気によって彼等の新たな新曲発掘どころか、
彼等自身と彼等の歌を聞かせるという夢そのものがもろくも崩れてしまった。
仕方がないので、この場を借りて彼等を紹介しようと思う。
そして私の好きな曲共々紹介していこう。それがいい!

トップバッターは研チャンの歌で知っている人もチラホラというトニー・ジョー・ホワイト。
唯一我がGOBでやる曲は「Rainy Night in Georgia」だけ。
研チャンからはその他にも「Polk Salad Annieという曲もいいぞ」などと
モーションを掛けていたのだが、とうとうそれっきりになってしまった。

トニー・ジョー・ホワイト[Tony Joe White]


こんな人の記事はないと思ってみたものの、検索したらほんのちょっぴり出てきた。曰く「ルイジアナ出身の生粋の南部人であり、男の匂いがムンムンするシンガー・ソングライターだ。しかし、トニー・ジョー・ホワイトは単なる田舎者ではない。確かに濃厚なルーツ色を保持しながらも必要以上に泥臭さを強調せず、歌う声は繊細そのもの。JBやスライといった同時代のファンク感覚を巧みに音楽性に取り込んでいるあたりがミソなのだ。

代表曲はエルヴィス・プレスリーのTOP10ヒット「Polk Salad Annie」、ブルック・ベントンの「Rainy Night in Georgia」、ダスティ・スプリングフィールドの「Willie and Laura Mae Jones」が挙げられるが、60年代後半から70年代中頃にかけてのホワイト自身のソロ作も実にイイ。2004年、61歳の彼が新譜を発表したように今もスワンプ・ロック・ファンからフリー・ソウル・ファンまで幅広い層に人気の高いシンガーである」とあった。
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「Polk Salad Annie」
エルビスの歌でお馴染みのこの曲も彼が作った。
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「エルビス・バージョン」
元歌と思われているエルビスのはこんな感じなのだ。
「Rainy Night in Georgia」
彼のバージョンは有名ではないが、これが正真正銘の元歌なのだ。
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「Brook Bentonバージョン」
このブルックという黒人はこの歌だけで有名になっている。
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「Ray Charlesバージョン」
こんな人までもがこの歌を歌っていた。
「For Ol' Times Sake」
トニーの歌の中にはこんな渋々の歌もある。
「Stockholm Blues」
そして、こういう渋いブルースも歌っている。
「Old Man Willis」
Polk Salad Annieの続編みたいなこんな曲もあった。


また、研チャンの歌で「Rainy Night in Georgia」をみんなに聞かせたいな。
日本人でもこんなジャージーな歌を歌える人がいるんだということを知ってもらいたいのだ。
(今となっては何にもお手伝いできないこんな身の上だが)
この続きは次回へ
by tomhana190 | 2006-04-29 07:49


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