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GOB備忘録:25

ライブと私の備忘録[14]


1曲できると、あとは芋蔓式にどんどんできた。
10ccで有名な「I'm not in love」だが、我々はリッチ−・ヘブンスで覚えた。
ジョ−・コッカーが歌ったR&Bの名曲「When something is wrong with my baby」
ダニー・オキーフのカントリーソング「Good time Charli's got the blues」
日本人にもお馴染みのレイ・チャールズの「Georgia on my mind」
ブルースでは「Ain't nobody's bussiness」「Send me someone to love」
(その頃、研チャンは単純な3コードのブルースは何故か得意ではなかった。)
変ったところではフィービー・スノーの「Teach me tonight」などを
研チャンの持ち歌にしていった。
フィービー・スノーの歌は研チャンに「こんな歌があるんだけど」と紹介され、
聞いていく内におもしろいコード進行に魅せられていつしかできてしまったんだな。

その内、研チャンのお気に入りの歌手が見えてきた。
ジョ−・コッカー、JJケール、ハ−ス・マルチネスの3人。
希代の酔っ払いジョ−・コッカーからは「Fun time」「Unchain my heart」など
ミスター寡黙JJケールからは「After midnight」「Cajun moon」など数曲
(ひとりの歌手ではいちばん多かったんじゃないかな)
奇才ハ−ス・マルチネスからは
「Silent movies」「Saturday night」などをレパートリーに入れていった。
それからケブ・モという黒人も忘れられない(ほとんどの人は知らないと思うが)。
研チャンから勧められた最初のCDから
私は「Don't try to explain」という曲を選んで研チャンに贈った。
次のCDからは「More than one way home」という曲を選んだ。
この歌は歌詞が多くて、早口言葉を言ってるみたい(もちろん英語)で
ちょっと心配してたが、これが研チャンのベストナンバーといっていいほどの
いい出来(本人がいちばん判ってるんじゃないかな)だし、
我々3人のギター少年隊もそれぞれ活躍する場もあって、みんなが満足する曲になった。
それと、病気になる前に「Henry」という曲を選んだが、
とうとう私がこの曲のギターを弾くことはなかった。心残りだが、仕方がない。
それと、ライオネル・リッチーの「Still in love」という曲がある。
この曲は研チャン自身は全然知らなくて、
私がCDを見つけて聞く内に研チャンにピッタリの曲だと思った曲。
内緒でコードを採って、やれるようになってから「こんな歌があるんだけど」といったら、
案の定、直ぐ飛びついてきた。研チャンの趣味を熟知した私だからそういうこともできたのだ。
この歌もやればやるほど、研チャンのベストナンバーに近づくんじゃないかな。

こうして見ると研チャンの歌は千差万別、それこそ脈絡のない曲ばかりだ。
脈絡がないと思うのは曲調だけを聞いても判る。
ジャズっぽいのがあれば、カントリーも平気で歌う。
戦前に歌われたような古い歌もあるかと思うと最新の曲にも果敢にチャレンジしている。
曲調はR&Bからブルースまで甘いバラードもこなすオールラウンドプレイヤー。
果ては、わざわざボサノバ的にアレンジしたものも歌ってきた。
また以前、研チャンが歌った曲「Georgia on my mind」「I'm not in love」を
雄サンが遊び感覚で別バージョン(曲調が半端でないほどガラッと変っていた)を創ってきた。
これを研チャンに聞かせたところ
「これもおもしろいから、時々やってみようか」といい反応が返ってきた。
研チャンが歌う別バージョンのこれらの曲はお世辞抜きで研チャンだけが歌っている曲。
どんなCDを探してきても誰もやっていない特別な曲。
それこそオリジナルだと言ってもいい出来に仕上った。
この別バージョンも機会があったら聞いてもらいたい。奥深さが感じられるはず。
研チャンの話の最後にこれだけは言わしてくれ。
知らない内に研チャンも60歳を過ぎて久しい。
それに身体のあちこちにガタがきていると聞く。
戦前生まれの伝説のボーカリストも何時かは幕を下ろさざろう得ない時が来るはず。
その時まで数少ない我々GOBのライブを知ったなら、
万障お繰り合わせのうえ見に来てもらいたい。
おしゃべりな研チャン、オシャレな研チャン、何にも考えていないような研チャン、
しかし、ああ見えて研チャンの恐るべき才能を間近で垣間見てきた我々にとって、
研チャンと一緒にやれることが他の何よりも大事だったし、嬉しかった。
最近は何も考えずにただただ研チャンに付いて行くだけで心地いいのだ。

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これが元歌である10ccの「I'm not in love」

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ダニー・オキーフのカントリーソング「Good time Charli's got the blues」

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日本人にもお馴染みのレイ・チャールズの「Georgia on my mind」

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フィービー・スノーの「Teach me tonight」

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希代の酔っ払いジョ−・コッカーの「Fun time」

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ミスター寡黙、JJケールの「After midnight」

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忘れられないケブ・モという黒人の「More than one way home」



この続きは次回へ
by tomhana190 | 2006-04-01 08:44


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