達人への道:7

ベスト10:ブルースの名曲/白人編

白人でもブルースを歌う人は結構いると思う。
何故なら、ブルースとはアメリカをカタチ作ったイシズエの大事な1つと考えられているから。
アメリカ人なら老いも若いも子供の内から親しんでいるもの。
大袈裟な言い方をすると、今こうしてあるアメリカ人の血となり肉になったもの。
それがブルース。だから、日本における民謡みたいにぞんざいに扱われてはいない。

しかしこの際、選ぶにあたって決めたことが1つ。
ブルースだけ歌う白人、いわゆる全曲ブルースの曲だけを歌っている人、
ブルースのジャンルにしかCDが置いていないような片寄った人は除外しようと思う。
どうせ、そんなオタク的な白人ブルースがいい訳ないもんな。
それにそんなブルースでは所詮、黒人の歌うブルースにカツ訳ないもん。

自分のオリジナルの歌を表現する内に「ブルースみたいなものもやっちゃおかな」
という片意地を張らない軽い気持ちがいい結果を出すみたいだ。

結・果・発・表!

第10位:Love Me Like a Man
BONNIE RAITT
考えてみると白人のブルースは教科書的なブルースが多いように思う。カチッとして遊びがなく、何度も聞いているとその内飽きてしまうのが多い。ボニ−のブルースも御多分に漏れず教科書的で全然面白くないのだが、白人でしかも女となると大目に見てしまうんだな。

第9位:Leavin' Blues
JONNY WINTER
彼のデビューしたての頃、彼は彼の歌うブルースとは何にも関係ないところで噂になっていた。近親相姦で生まれた子供、白子の子だと言われていた。そう言われてみれば髪は白髪のように白く、肌の色も白人にしてみても余りにも白い。さらに驚くことがウサギのように黒目の部分が赤いことだ。彼の弟エドガ−も同じだから噂はホントかもしれない。しかし、ゲテモノみたいに後ろ指を差されながらも歌う彼のブルースは黒人のブルースを彷佛させるようなちゃんとしたブルースだった。

第8位:Loan Me a Dime
BOZ SCAGGS
今から聞くと声はブルースには似つかわしくない高音で、しかもところどころ裏返っていて聞いてられないが、初めて聞いた時はそんなこと気にもとめなくて「ひょっとして俺でもブルース歌えるのか?」とその気にさせてくれた。「ボズでも歌っているんだから」と訳の判らない自信もついでに貰った気がした。ボズがブルースを歌っていたから今の私があると言っても過言ではない気がする。

第7位:Trouble No More
ALLMAN BROTHERS BAND
彼等をブルースバンドと規定してしまってもいいのか今でも迷ってしまうんだな。やる曲は全曲ブルースコードで誰が聞いてもブルースなんだが黒人のブルースとはだいぶ違う。ロックマインドたっぷりの白人ブルースとでもしておこうかな。余談だが、第8位「Loan Me a Dime」でリードギターを弾いているのがこのバンドのバンマス、若くして交通事故でこの世を去ったDuane Allman。今聞いてもシビレる。

第6位:Midnight Hour Blues
DAVID BROMBERG
誰に聞いても知らないと言われてしまう彼。お世辞にも上手い歌とは言えない彼の歌。ブルース、ロック、フォーク、カントリーと彼の歌の世界は驚くほど広かったがどの歌を聞いてもすぐ彼だと判るほど、いい言い方をすると個性的、悪い言い方をするとヘタだった。でもそんなこと気にならないぐらいどの歌も楽しくやっていた。余談だが、彼は憧れの歌手という職業を何故か廃業してただのギターを作るギター職人になったと聞く。彼らしいと言えば彼らしいかな。

第5位:Speedo
RY COODER
彼も歌の上手い方ではない。しかし、楽しそうに歌っているではないか、この歌のように。それもそのはず、子供の時からずっと黒人の歌うブルースとかR&Bを聞いて大きくなったという。だから、気負いとかガンバらねばというものが全然なく自然体でやっているところがいい。安心して聞いてられる。バックの黒人がまたいい。彼等だけでもCDを出している人気者だがライのCDではそれにも増して活き活きとしている。余談だが、この曲のドラムは白人のジム・ケルトナーという人。目立たないが私の憧れの人でもある。

第4位:Mama Don't Allow It
STEVE GOODMAN
彼のCDを探そうとブルースの棚に行っても見つからない。彼のCDを探そうと思ったらカントリーの棚を探すしかない。きっとカントリーハットをかぶった太った赤ら顔の人達のアイダから見つかるはず。彼のことを知る人は少ないとは思うが、彼は先ほどのブロンバーグとは違った意味でオールラウンドプレイヤーだ。それもギターを弾かせたら彼の右に出る人はいないくらいに。フォーク、カントリー、ブルーグラス、ジャズと何でもこなすがブルースでもいい味を出している。余談だが、この人はもうこの世にはいない。この人だけはという大事な人を時々神様はいとも簡単に別なところへ連れていってしまう。

ベストスリーに入る前に惜しくも次点の曲:Jesus Gonna Be Here
TOM WAITS
この曲をブルースと呼んでいいものか迷ってしまうがアップタイトベースとボーカルがトム、それとビンビンというギターが入っているだけ。この圧倒的な存在感がまさしくブルースにはピッタリくる。何度も聞いていると紛れもないブルースだと判ってきて自分の気持ちも落ち着いてくるから不思議だ。

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ここから栄えあるベストスリー!第3位I Got The Same Old Blues
J.J.CALE
彼のことは日本でおろか本国アメリカでも耳にすることはほとんどない。ミュージシャンだと言うよりはテキサスなんかの牧童だと言ってもいいくらい寡黙な彼。歌にもその辺のことが現れているのか、歌い方は真剣かどうかも判らない覇気のないボソボソ唱法。これでもか、これでもかという歌が多い中、彼の寡黙な歌がこれがまたいいんだな。彼のことは曲提供者としてしか評価されてないみたいだが、どっこいそんなことはない。クラプトンが歌っている「コケイン」という歌、元歌の彼の方が何倍もカッコいいぞ。ダマされたと思って聞いてみろ、ボ〜ッとした彼の凄さが判るから。

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惜しくも第2位New Walkin' Blues
PAUL BUTTERFIELD
この歌の元歌はブルースを今あるカタチにした伝説のロバート・ジョンソン(彼の歌とは似ても似つかぬ歌ではあるが)。彼等の歌うブルースは白人のブルースを明るく照らす一筋の光だと言ってもいいほどのデキ。ゴクゴク普通のブルースに聞こえてくるが、これが黒人は絶対に真似のできないシロモノ。白人ブルースハープの雄、ポール・バターフィールドとギターの奇才、エイモス・ギャレットが作り出す珠玉のブルースを御堪能ください。

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これぞ白人ブルースの名曲第1位City Lights
DR. JOHN
ドクター・ジョンならではのけだるく物憂いな感じのピアノで始まるこの歌。何を隠そうブルースコードでも何でもない曲なのに、何故か初めて聞いた時から「まさしく、いいブルースだ」という印象が私にはある。全編通して聞いても3分15秒しかない小品。しかし、都会の片隅で出会った男と女の儚い夢物語が淡々と綴られた静かでしかも熱いバラードなのだ。ピアノの腕前といったら誰にも真似できないほど凄いけど、こういう歌を歌わしたらドクター・ジョンの右に出る人はいない。エンディングもマルッとブルースでキメている。
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by tomhana190 | 2005-12-22 12:26


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